名前からすると、何でも自動的にしてくれるお風呂だが、実際に自動化さ
れているのは、お風呂を沸かす作業だけです。
「運転」とか、「お風呂」などと書かれたボタンを押すだけで、湯船に好
みの湯量、好みの湯温のお湯をはってくれます。その後、一定時間は、お湯
がさめたら追い焚きし、お湯が減ったら好みの湯量まで足してくれます。
翌日、同じお湯を使って沸かし直しするときも、同じボタンを押すだけで良
いのです。湯船の湯量、湯温を判断し、自動的にお湯を足し、追い焚きをし
てくれる設備なのです。
このシステムでは、風呂場に作動スイッチがあるほか、キッチンにもリモ
コンスイッチがあり、お風呂を沸かすとき、いちいち風呂場まで行かなくて
も済むようになっています。それも便利な点です。
■フルオートバスとセミオートバスはどこが違うの?
このフルオートバスによく似た設備がセミオートバスです。
いずれも現役の設備で、住宅によってフルオートであったり、セミオートで
あったりします。さて、その違いは……。
実は、違いは一つだけなのです。沸かし直しをするときと新たにお湯をは
るときで押すボタンが違うだけです。フルオートバスの場合、沸かし直しの
時も新たにお湯をはるときも「運転」とか「お風呂」、「自動」などと書か
れたボタンを押すだけでよいのです。
これに対し、セミオートバスの場合、「運転」とか「お風呂」と書かれた
ボタンを押すのは、新たにお湯をはるときだけです。沸かし直しの時は「追
い焚き」とか「沸かし直し」というボタンを押します。ここが、違うだけな
のです。
フルオートバスにも、「追い焚き」というボタンがあるのですが、これは
自動運転任せではなく、今すぐお湯を熱くしたいというときに押すボタンで
す。いわば補助ボタンといえます。
セミオートといっても、手間のかかり方はフルオートと大差がありません。
それでいて割安なため、設備コストが抑えられ、家賃や分譲価格も抑えられ
る…それが、セミオートバスの長所となっています。
■フルオートバスの、次に“来る”設備は?
便利なお風呂設備の象徴が、フルオートバスです。といっても、自動化さ
れているのは、お風呂を沸かす仕事だけです。最も面倒な風呂掃除は、相変
わらず、人間の手に委ねられています。この「掃除の手間を省く」のが、次
の課題になっています。
現在、水まわり機器メーカーは、掃除が楽な浴室の開発にしのぎを削って
います。掃除が楽になるだけでなく、掃除も完全自動化できたら、大ヒット
間違いなしといえるでしょう。
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