■「対面式キッチン」って、どんなものなの?
キッチンは、形式によって種類分けされます。まず、「クローズド」か「オープン」かです。これは、「閉鎖的」か、「開放的」かという違いがあります。
例えば、キッチンに幅1メートル程度の出入り口が付いていてリビングダイニング側からキッチン内が見えにくくなっているのが、「クローズド」タイプのキッチンです。
これに対し、キッチンの出入り口が大きかったり、そもそも出入り口がなくリビングダイニングと一体化しているのが、「オープン」タイプのキッチンです。「対面式キッチン」というのは、この「オープン」タイプ・キッチンの一種になります。
例えば、リビングダイニングとキッチンの間に大きな窓のような空間が開いていて、その窓で、料理をつくっている人とリビングダイニングにいる人が向かい合うことができる設計−−それが対面式キッチンです。通常、リビングダイニング側にはカウンターテーブルが作り付けられます。そのため、料理をつくる人とカウンターテーブルについた人の関係は、カウンターバーのバーテンダーと客と同じ関係になるのです。最近では出来るだけ壁をなくして、よりオープンにした対面式キッチンが多くなっています。
■「対面式キッチン」の長所はなに?
対面式キッチンは、子育てファミリーにぴったりとされます。理由は、料理の準備をしながらリビングダイニングの様子がわかるからです。小さな子供をリビングで遊ばせているとき、何をしているのか見やすく、安心というわけなのです。
一方で、シルバー世代の夫婦2人暮らしにも向くとされます。それは、妻が料理をつくり、夫がそれを待っている間も自然と会話が生まれ、夫婦関係がうまくいきやすいということです。
それほどの効果があるかどうかはさておき、料理をつくっている間、孤独になりがちな主婦がリビングにいる家族と会話できたり、同じテレビを見たりできる長所は、間違いなくあります。
■「対面式キッチン」の短所は何?
長所の多い対面式キッチンですが、致命的な欠点もあります。それは、キッチンの中が見えやすいということです。これは、オープンタイプのキッチン全般に共通する短所になります。
そのため、来客時にはキッチンを徹底的に掃除しなければいけないという手間が生じてしまいます。さらに、キッチンが古くなると掃除しても汚れている印象になりやすく、それがイヤという主婦が少なくありません。
この短所を解消し、かつ、対面式キッチンの長所を残すために考えられるのは、リビングダイニング側から見える面積を少なくするということです。キッチンとリビングダイニングの間の窓を小さくしたり、カウンターの上にカフェ風カーテンやロールスクリーンをかけて目隠しをします。また、カウンターの立ち上がりを高くして、リビングダイニング側からキッチンの手元やシンクの水栓が見えないようにすると、すっきりと見えて水はね等も防いでくれる上に、急な来客時にも慌てません。そんな工夫を凝らした対面式キッチンもつくられています。
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